「第1回:ホメオパシーは再び患者を殺す」その1を読む。
「第1回:ホメオパシーは再び患者を殺す」その2を読む。
さて、ついに統計学の力を使ってホメオパシーで使われるレメディが単なる砂糖玉であるということが明らかになりました。
ここまで来て疑問に思った方もいらっしゃると思います。題名を見てみましょう。「ホメオパシーは再び患者を殺す」穏やかではありませんね。何故単なる砂糖玉が危険なのでしょうか。
実はここが一番ホメオパシーの恐ろしいところなのです。ホメオパスはしばしば「
西洋医学を併用するとホメオパシーの効果がなくなる」と主張し、その1で取り上げた生後2ヶ月でなくなってしまった赤ちゃんのように患者さんを適切な治療から遠ざけます。
これだけなら自分の意志でホメオパシーを中止しちゃんと病院に連れて行くことだってできそうなものですが、巧妙なのが適切な治療を行わないで症状が悪化すると
「それは一時的な好転反応で問題はない、直ぐによくなる」と言って先程の文句と併用し患者さんを少しずつ死に追いやる点です。
現に2010年、ホメオパシーに頼っていた悪性リンパ腫の女性が病院に行くのを拒み続け、とうとう緊急搬送された後入院11日目で死亡するという事件が東京で起こりました。
入院前、彼女が送った最後のメールは次のようなものでした。
「心臓が、止まりそうな痛さです。先生(ホメオパス)お願いですから来て下さい」
これは決して特別な例ではありません。ホメオパスを育成する The Japan Royal Academy of Homeopathy のページでも、重症喘息患者さんに対して「標準治療(エビデンスレベルの高い治療)を受けてはならない、受けたら死亡する、ホメオパスに頼りなさい」というアドバイスを行なっています。どうやらホメオパシー界隈では患者さんに西洋医学を避けさせるのは業界全体で珍しいことではないようです。これについては
NATROM先生の記事を見て頂けるとよく分かると思います。