Sunday, March 24, 2013

クラシック入門第4回「喜びの島」史上最強の浮気男ドビュッシーも子供が生まれたらただの親バカに

「冒頭から小舟のオールを漕ぐ様子が伝わってくるような写実的な一面を持ちながらも恋に我を忘れている心情も豊かに描写されている…」

この「喜びの島」はモーリス・ラヴェルと共に20世紀初頭に興った印象派の中心的な人物の一人、クロード・ドビュッシーによって1904年に作曲されました。


この曲はドビュッシーが恋人のエンマ・バルダックという女性と訪れたジャージー島という場所で作曲されたもので、恋をする喜びが素直に表された名曲です。漫画「のだめカンタビーレ」でも「恋しちゃってルンルン」な曲として主人公のだめがコンクールで演奏していたのは記憶に新しいと思います。

こんな素晴らしい曲を作曲したんだもの、きっと素敵な人だったに違いないワァ…と読者の皆さん方は思われることでしょう。ところがどっこい、ドビュッシーはこれ以上ないほどのダメ男、史上最強の浮気男だったのです!!

Wednesday, January 30, 2013

大学生・大学院生の皆、日米学生会議に参加しよう。

基本的に私はかなり冷めている人間で、テレビでスポーツ選手などが「恩師の◯◯という言葉のお陰で私の人生は変わりました!!」と言っているのを聞く度に「その程度の言葉で変わるなんて、てめぇの人生は本当に軽いなァ…!!」と思うほど冷酷非情です。

ですから第64回日米学生会議日本側代表に選ばれた時に送られた書類に書いてあった "Welcome to JASC, a conference promising you a life-changing experience." という文言を見ても、大喜びしつつ心の何処かで「人生を変える経験だなんて、ずいぶんと臭いこと言っちゃって(笑)」と見下していたところがありました。

アメリカでの1ヶ月の会議を終えて今ならはっきりと言えます。

日米学生会議は本当に life-changing experience でした。


左:宮沢喜一元首相(第6・7回日本側参加者)
右:ヘンリー・キッシンジャー元国務長官(第12回アメリカ側参加者)

今年で第65回を数え、宮沢喜一元首相やヘンリー・キッシンジャー元米国国務長官を始めとして数々の人材を世に送り出してきた日米学生会議ですが、その起源は古く、第二次世界大戦前にまでさかのぼります。

Wednesday, December 12, 2012

仮定法が3秒で話せるようになる方法

「現実じゃなかったら時制をひとつ戻す」

はい、これで仮定法は終わりです。3秒。

未だに日本には「仮定法は英文法の中で最も難しいものの一つ」「仮定法は構文を丸暗記するしか無い」と訳の分からないことを言う英語教師が大量にいますが、はっきり言って単なる勉強不足です。

構文を丸暗記する?冗談じゃありません!!大学を受験しようと思っているような賢い日本の学生が、アメリカでは幼稚園児でも話せる構文をあれだけ勉強させられても話せるようにならないなんて異常だと思わないのでしょうか。これはどう考えても教え方が間違っているからとしか考えられません。

「現実でなかったら時制をひとつ戻す」仮定法はこれ以上でもこれ以下でもありません。受験で勉強した仮定法過去、仮定法過去完了、仮定法過去と仮定法過去完了の複合型、I wish 仮定法、if節のない仮定法などなど…あんなものは全てゴミです。全く必要のない知識と断言できます。

「現実でなかったら時制をひとつ戻す」というこのルールさえ知っていれば自由自在に仮定法を使うことができるようになるということを保証します。どういうことなのか実際に順を追って説明してみましょう。

Sunday, December 9, 2012

実習中の医学生のみんな、iPad miniはマストバイだ(そして白衣のポケットの横幅が134mm未満なら新しい白衣を買おう)



医学生のみんな、結論から言うよ。
今直ぐApple StoreでiPad miniを注文すべきだ…!!

10月中旬にNexus 7をあれだけ薦めていおいていったい何様のつもりだ!!と思う人がいるだろうけど、仕方ないでしょ、iPad miniが思ってたより遥かに良かったんだから。YOUもつべこべ言わずにもう買っちゃいなYO☆


Sunday, November 4, 2012

世界有数の科学ジャーナルもあきれる日本のメディアのレベルの低さ

iPS細胞を心不全の患者さんに臨床応用したという森口尚史氏の嘘の業績を読売新聞が大々的に報道したことは記憶に新しいですが、それに関して世界有数の科学ジャーナルである「ネイチャー」が痛烈に批判している記事をつい先日発表しました。

基本的に私は英語論文などを日本語訳するのがとても嫌いなのですが、それをもってしてもこの記事はぜひ広く読まれるべきだと思ったので簡単ではありますが日本語に直してみました。元記事はこちら



恥ずかしいことに山中伸弥教授のノーベル賞受賞という偉業が森口尚史氏の口からでまかせで汚されることになってしまった。山中教授が確立したiPS細胞関連技術を使用して心不全の患者の治療にあたったという話をでっちあげたのだ。

ジャーナリズムの質が低いことによりこの話があんなにも広く報じられてしまった。これはことさら科学記事に特有のことではないだろうし、日本だけの問題でもない。それでもなお読売新聞の森口氏の「功績」に関する報道には大変失望したし、日本経済新聞など他の新聞もこの10年の長きに渡り裏を取らずに森口氏を記事に載せてきてしまったということを認めている。確かに、科学者の研究というものは本質的に難解であるので、科学について報道することは時に恐ろしいことである。なので今回は記者の皆さんが専門家に挑む際に役立つ実践的なステップを紹介しよう。

Thursday, October 18, 2012

実習中の医学生よ、Nexus 7はマストバイだ!!(但し白衣のポケットの横幅が134mm未満ならば)

Googleの最新OS Android 4.1を搭載した初の端末、「Nexus 7」。クアッドコアTegra 3搭載、RAM 1GB、1280×800 HDディスプレイ搭載という高スペックながら19,800円という低価格を実現したAppleへの最強の挑戦者となっています。

今回、「白衣のポケットに入れて病院実習中に医学書を参照する」という目的の為に実際にNexus 7を購入して実際に2週間程使ってみたので簡単なレビューをしてみたいと思います。

iPad(左)とNexus 7(右)の比較
Nexus 7はiPadより2回りから3回り小さいですね。

Saturday, May 26, 2012

医学生が考える医療シリーズ「第1回:ホメオパシーは再び患者を殺す」その3


「第1回:ホメオパシーは再び患者を殺す」その1を読む。
「第1回:ホメオパシーは再び患者を殺す」その2を読む。

さて、ついに統計学の力を使ってホメオパシーで使われるレメディが単なる砂糖玉であるということが明らかになりました。

ここまで来て疑問に思った方もいらっしゃると思います。題名を見てみましょう。「ホメオパシーは再び患者を殺す」穏やかではありませんね。何故単なる砂糖玉が危険なのでしょうか。

実はここが一番ホメオパシーの恐ろしいところなのです。ホメオパスはしばしば「西洋医学を併用するとホメオパシーの効果がなくなる」と主張し、その1で取り上げた生後2ヶ月でなくなってしまった赤ちゃんのように患者さんを適切な治療から遠ざけます。

これだけなら自分の意志でホメオパシーを中止しちゃんと病院に連れて行くことだってできそうなものですが、巧妙なのが適切な治療を行わないで症状が悪化すると「それは一時的な好転反応で問題はない、直ぐによくなる」と言って先程の文句と併用し患者さんを少しずつ死に追いやる点です。

現に2010年、ホメオパシーに頼っていた悪性リンパ腫の女性が病院に行くのを拒み続け、とうとう緊急搬送された後入院11日目で死亡するという事件が東京で起こりました。

入院前、彼女が送った最後のメールは次のようなものでした。

「心臓が、止まりそうな痛さです。先生(ホメオパス)お願いですから来て下さい」 

これは決して特別な例ではありません。ホメオパスを育成する The Japan Royal Academy of Homeopathy のページでも、重症喘息患者さんに対して「標準治療(エビデンスレベルの高い治療)を受けてはならない、受けたら死亡する、ホメオパスに頼りなさい」というアドバイスを行なっています。どうやらホメオパシー界隈では患者さんに西洋医学を避けさせるのは業界全体で珍しいことではないようです。これについてはNATROM先生の記事を見て頂けるとよく分かると思います。